Arbitrator1)は、Qubicネットワーク独自の特別な役割で、676台のComputor(コンセンサスノード)がクォーラムを形成できない場合にのみ介入する「最終的なライブネス(生存性)保証装置」です。
一般的なブロックチェーンの「バリデータ」や「ガバナンス」とは根本的に異なり、普段は一切の権限を持たず、ネットワークが異常停止(ストール)したときにだけ一時的に機能する設計になっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総数 | 49名(固定) |
| 選出方法 | 創設者(@AvdiuSazan)が直接指名+コミュニティからの推薦で決定 |
| 任期 | 無期限(ただし不正や長期オフラインで交代あり) |
| 報酬 | 基本的にゼロ(緊急介入時に少額のインセンティブが発生する場合あり) |
| 必要な投票権限 | なし(通常時は投票すらしない) |
| できること | 絶対にできないこと |
|---|---|
| ネットワークが完全にストールしたとき、一時的に次のティックを強制進行させる | トランザクションを改ざん・追加・削除する |
| 緊急時のエポックを再起動させる | クォーラム(451/676)の決定を上書きする |
| 資産を移動させる、スマートコントラクトの状態を変更する | |
| 通常運用時に介入する |
→ Arbitratorは「真実」を決める存在ではなく、「ネットワークが死なないようにする緊急ボタン」です。
この仕組みは BFT(ビザンチン障害耐性)の最終防衛線 であり、51%攻撃や長期分岐を防ぐための保険です。
| プロジェクト | 緊急時の最終決定権者 | 中央集権リスク |
|---|---|---|
| Bitcoin | なし(開発者・マイナーが実質的に調整) | 高(コア開発者) |
| Ethereum | ソーシャルコンセンサス+財団 | 中〜高 |
| Solana | バリデータ投票+財団 | 高 |
| Cardano | なし(ハードフォークで対応) | 中 |
| Qubic | 49名のArbitrator(権限極小) | 極低 |
QubicのArbitratorは、「最小限の信頼」で「最大のライブネス」を保証するという究極のトレードオフを実現した存在です。
「完全に信頼不要なシステム」は理論上存在しませんが、 「普段は誰も信頼しなくていい。でも最悪のときにだけ、分散された49人が助けてくれる」
これがQubicが選んだ現実的な分散化の形であり、 「権力を持たない最終守護者」 という、他に類を見ない設計です。
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