Eyal-Sirer セルフィッシュ・マイニング戦略
「セルフィッシュ・マイニング(利己的マイニング)」は、「発見したブロックをすぐには公開せず、自分だけの秘密のチェーン(プライベート・チェーン)を構築する」ことで、他のマイナーよりも不当に多くの報酬を得る戦略です。
1. 基本的なメカニズム (The Logic)
通常のマイニングでは、ブロックを見つけたらすぐにネットワークへ伝播させますが、セルフィッシュ・マイナーは以下の行動をとります。
核心: 正直なマイナーの計算リソースを「無駄骨」にさせ、自分たちの計算効率を相対的に高めるのが目的です。
2. 「51%攻撃」という常識の打破
この論文の衝撃的な結論は、「ネットワークを支配するには51%のハッシュレートは必要ない」という点にありました。
3. Qubic の Monero 実験での応用
Qubic のレポートでこの名前が出てきたのは、Moneroのハッシュレートを「51%掌握した」という主張を検証するためです。
実験の内容:
Qubic
マイナーは
Moneroネットワークに対し、このセルフィッシュ・マイニング戦略を実行しました。
結果:
実際の計算力は
Monero 全体の
約28%〜35% 程度でしたが、この戦略を駆使することで、ある期間内に
51%を超えるブロック(122個中63個)を独占 することに成功しました。
意義:
Qubic の計算力が、時価総額で遥かに勝る
Moneroのセキュリティを実質的に突破できるレベルにあることを、数学的に証明したのです。