ホワイトペーパー:v01:5_経済モデル:start

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5 経済モデル (ECONOMIC MODELS)

 Qubicのインフラストラクチャとコンセンサスメカニズムメカニズムを検討したところで、次に、ネットワークを維持し、継続的な参加を促進するための経済モデルについて説明します。

5.1 発行スケジュール (Emission Schedule)

 Qubicの経済モデルは、ネットワークを維持し、参加を促すために設計されています。

5.1.1 初期コイン供給量 (Initial Coin Supply)

 Qubicネットワークの開始時、ネットワークの安定性と長期的な持続可能性を確保するために、固定された総供給量が設定されました。

 当初は最大供給量 1,000兆 QUBIC コインが想定されていましたが、希少性を高めインフレを抑制するという Qubic の目的のために80%削減され、改定後の上限は 200兆QUBICコインとなりました。この総供給量の情報は、ローンチ後の流通供給量を調整する継続的な発行およびバーン(焼却)メカニズムとは切り離されています。

5.1.2 発行フェーズ (Emission Phases)

 QUBICコインの発行は、インフレを制御しつつネットワーク参加を維持できるよう、正確にスケジュールされています。

 Qubicの発行モデルは、予定された発行、バーン、およびハルビング(半減期)を統合しており、これらはバーン率をリアルタイムで制御するスマートコントラクトであるSupply Watcher(サプライ・ウォッチャー)」によって支えられています。

発行フェーズの詳細:

  • 1. ブートストラップ期 (1〜2年目):
    • 早期採用を促進するため、発行率は週あたり1兆QUBICの高いレートに設定されています。
  • 2. 安定期 (3〜5年目):
    • 3年目のエポック123から、週次発行の一部がバーンされ始め、開始時のバーン率は15%となります。
    • 約52エポックごとにハルビング(半減)が予定されており、これにはコミュニティの合意を保証するクォーラム(定足数)の承認が必要です。
    • これらのハルビング中、バーンされるQUBICの割合が増加し、基本発行率(週1兆枚)を下げることなく、実質的な流通供給量を効果的に削減します。
    • Supply Watcherは、安定性を維持するためにバーン率を動的に調整します。
  • 3. 持続可能性期 (6年目以降):
    • バーン率が徐々に発行率を上回り、総供給量が純減する状態になります。
    • この段階ではコインの希少性が強調され、Supply Watcherが過度なデフレのリスクを軽減するためにバーン率を一貫して監視・調整します。

図3は発行フェーズと削減スケジュールを示しており、バーン(焼却)後のQubicの実質的な週次発行量を表しています。この視覚的な表現から、Qubicの発行スケジュールが時間の経過とともに体系的に減少していることが分かり、希少性と持続可能な経済性が確保されています。

 Qubicの発行スケジュールは固定されたものではなく、エコシステムとともに進化するように設計されています。

 Supply Watcherにより、スマートコントラクトの活動やネットワークの状態などのリアルタイムの要因に基づいて、発行率とバーン率を柔軟に変化させることが可能です。

5.1.3 報酬分配 (Reward Distribution)

 Qubicの報酬分配メカニズムは動的なプロセスです。Computor(コンピューター)が受け取る基本報酬から、特定の目的をサポートするための特定の寄付(ドネーション)を定義できます。

収益分配プロセスの説明:

  • 1. Computorの収益計算:
    • 各 Computor の収益は、その貢献度とパフォーマンス指標に基づいて計算されます。
  • 2. 上位451台のチェック:
    • ネットワークの安定性を高めるために、上位451台のComputorのみが報酬を全額受け取る資格を得ます。
  • 3. 潜在的収益の調整:
    • パフォーマンスが上位451台に満たない場合、その収益は減少され、残りの部分はArbitrator(アービトレイター)に送られます。
  • 4. 寄付の実行:
    • 「Supply Watcher Burn (15%)」や「CCF SC (8%)」などの登録された寄付が、Computorの収益から順次差し引かれ、それぞれのアドレスに割り当てられます。
  • 5. 最終的な収益送金:
    • すべての控除後、残りの収益がComputorに転送され、分配プロセスが完了します。

5.2 デフレメカニズム (Deflationary Mechanisms)

 流通する QUBIC コインの供給量を制御し、経済的な持続可能性に寄与するために、デフレメカニズムメカニズムが実装されています。

5.2.1 コインバーン (Coin Burning)

 コインバーンは、コインを使用不可能なアドレスに送ることで、流通から永久に削除することを指します。

 Qubicは、定期的なバーンとイベント駆動型のバーンの両方を採用しています。Supply Watcher機能により、固定された年間イベントではなく、ネットワークの現在の状況に基づいてバーン率がリアルタイムで調整されます。

5.2.2 スマートコントラクト運用 (Smart Contract Operations)

 スマートコントラクトの実行に関連する手数料にはバーン成分が含まれることがあり、これにより供給量がさらに削減されます。

5.2.3 コイン供給への影響 (Impact on Coin Supply)

 これらのデフレメカニズムの組み合わせにより、流通供給量が時間とともに減少し、QUBICコインの希少性が高まる可能性があります。

 流通供給量は、以下の数式で表されます:

流通供給量(t) = 流通供給量(t-1) + 発行量(t) - 総バーン量(t)

5.3 経済的インセンティブ (Economic Incentives)

 Qubicの経済モデルは、参加者の行動をネットワークの利益と一致させるように設計されています。

5.3.1 インセンティブの整合性 (Alignment of Incentives)

    • 報酬を受け取るために、信頼性が高く効率的な運用を維持する動機があります。
    • また、次期エポックでComputorとして選定され続けるために、マイナーから十分な計算解を集める競争状態にあります。
  • マイナー (Miners):
    • ネットワークから直接報酬を得ることはありませんが、有用なプルーフ・オブ・ワーク(UPoW)タスクへの貢献に基づき、提携するComputorとの個別の合意を通じて報酬を得ます。
  • コインホルダー:
    • デフレメカニズムによる供給の希少性と、エコシステムの拡大による価値の維持を期待できます。

5.3.2 報酬の持続可能性 (Sustainability of Rewards)

 Qubicは、管理された発行スケジュールと、コインバーンのようなデフレ政策を組み合わせることで、ステークホルダーにとって安定し、インセンティブが与えられた経済環境を作り出します。供給の削減は、長期的なネットワークの健全性とエンゲージメントのために、参加者のインセンティブと一致させる必要があります。

5.3.4 長期的な経済的実行可能性 (Long-Term Economic Viability)

 Qubicの経済モデルは、ネットワークの状態に基づいてパラメータを調整できる適応性AIGarth を通じたAGI開発のサポートという目標との一致、および参加者の利益を統合することによるコミュニティの関与を通じて、長期的な実行可能性を確保しています。

ホワイトペーパー/v01/5_経済モデル/start.1768477606.txt.gz · 最終更新: by d.azuma