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インパーマネントロス

インパーマネントロス (Impermanent Loss) 解説

 インパーマネントロス(一時的な損失)とは、AMM(自動マーケットメーカー)に流動性を提供している間に、「預けた時よりもトークンの価格が変動したことで、単にウォレットに持っているよりも資産価値が減ってしまう現象」を指します。


1. 概要:なぜ「一時的」なのか?

 この損失が「一時的(Impermanent)」と呼ばれる理由は、トークンペアの価格比率が預けた時と同じ比率に戻れば、損失が消滅するからです。

 逆に、価格が乖離した状態で資金を引き出すと、損失は「確定(Permanent)」します。


2. 発生のメカニズム

AMM(QSwap (SC)など)は $x \times y = k$ という数式でプールのバランスを保ちます。

  • 価格変動:
    • 外部市場でトークンAの価格が上がると、裁定取引者(アービトラージャー)がプールから安いトークンAを買い取り、代わりにトークンBを注入します。
  • 比率の変化:
    • その結果、プールの保有比率は「値上がりしたトークンが減り、値下がりしたトークン(または価値の変わらないトークン)が増える」状態になります。
  • 機会損失:
    • 「値上がりした方を持ち続けていればもっと儲かったのに!」という差額がインパーマネントロスです。

3. 数学的指標(目安)

 価格が預け入れ時よりどれくらい変動すると、どの程度の損失が出るかの目安です。

価格変動率 インパーマネントロス
1.25倍 (25%増) 0.6%
1.50倍 (50%増) 2.0%
2.00倍 (100%増) 5.7%
3.00倍 (200%増) 13.4%
4.00倍 (300%増) 20.0%
5.00倍 (400%増) 25.5%

 損失額 $L$ は、価格比率の変化を $r$ とすると以下の式で表されます。

$$L = \frac{2\sqrt{r}}{1+r} - 1$$

4. QSwap におけるインパーマネントロス

 Qubic のエコシステムにおいて、LP(流動性提供者)はこのリスクとどう向き合うべきでしょうか。

  • 取引手数料の重要性:
    • ユーザーの取引手数料がプールに蓄積されることで、インパーマネントロスを相殺します。
  • ボラティリティの罠:
    • 価格変動の激しいトークンで LP を組むと、手数料収益を上回るインパーマネントロスが発生するリスクが高まります。
  • 安定ペアの選択:
    • 長期的に価格比率が安定しているペア(例:価格変動の少ないもの同士や、相関性の高い通貨ペア)であれば、このリスクは最小限に抑えられます。

5. 対策と戦略

  • 「ガチホ」との比較:
    • 常に「そのまま持っていた場合」と「LPに参加した場合」の期待値を比較してください。
  • 手数料収益の監視:
    • 取引高が多いペア(スワップが頻繁に行われるペア)を選ぶことで、手数料による補填を狙います。
  • 引き出しのタイミング:
    • 価格比率が預け入れ時に近づいたタイミングで撤退するのが理想的です。
tag/インパーマネントロス.txt · 最終更新: by d.azuma