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ロスト・ティック

ロスト・ティック(Lost Tick / ティックの消失)の解説/Gemini生成

 Qubicにおいて「ティック」は時間の鼓動であり、通常は約1秒ごとに進行します。しかし、何らかの理由でその秒間に合意が得られなかった場合、そのティックは「ロスト(消失)」したものとみなされます。

1. ロスト・ティックの定義

 ロスト・ティックとは、特定のティック番号において、クォーラム(676台のComputor のうち451台以上)が同一の実行結果に署名できなかった状態を指します。

  • 合意の不在:
    • ネットワークの過半数(2/3以上)が「何が起きたか」について一致団結できなかった場合、そのティックの歴史はどこにも書き込まれません。
  • ステートの不変:
    • ティックがロストした場合、ネットワークの状態(State)は一切変化しません。残高の移動も、コントラクトの実行も、まるでその時間が存在しなかったかのようにスキップされます。

2. ティックが消失する主な原因

 ティックの消失は、主に以下のようなインフラ上の物理的要因や論理的制約によって引き起こされます。

  • ネットワークの遅延(レイテンシ):
    • Computor 間でのデータ転送がティックの制限時間(約1秒)内に間に合わず、署名が集まらなかった場合。
  • 計算負荷の増大:
    • 複雑なスマートコントラクトの実行や、大量のトランザクション処理に時間がかかり、規定のタイミングで結果を出せなかった場合。
  • 非決定論的な挙動の検知:
    • 万が一、Computor 間で計算結果が食い違った場合、システムは「推測」して進めることを拒否し、そのティックを無効にします。

3. 「失敗」ではなく「安全」のための設計

 Qubic においてロスト・ティックはシステムの不備ではなく、設計思想の現れです。

  • Liveness(活性)より Correctness(正確性):
    • 多くのチェーンは「止まらないこと」を重視して不確実なまま進みますが、Qubicは「正しい合意がないなら進まないこと」を選択します。
  • リオーグの防止:
    • 曖昧な状態でティックを確定させないため、後から「実はこうだった」と歴史が覆る(リオーグ)余地を根本から排除しています。

4. ユーザーへの影響

 一般ユーザーにとって、ロスト・ティックは以下のような現象として現れます。

  • トランザクションの遅延:
    • 送信した取引が次のティックで処理されず、その次の正常なティック(合意が得られたティック)まで持ち越されることになります。
  • 一時的なネットワークの静止:
    • エクスプローラーなどでティック番号の更新が一時的に止まったように見えますが、クォーラムが再同期され次第、ネットワークは再び動き出します。

結論

 ロスト・ティックは、Qubicが「絶対的な正確性」と「即時ファイナリティ」を維持するための代償です。不確実な歴史を作るくらいなら、その瞬間の歴史を「作らない」ことを選ぶという厳格なプロトコルが、Qubicの信頼性の根拠となっています。

tag/ロストティック.txt · 最終更新: by d.azuma