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260118 量子計算の脅威と Qubic の量子耐性(Gemini生成コラム)

 量子計算機の実用化が近づくにつれ、既存のブロックチェーンが採用している暗号アルゴリズムの脆弱性が議論されています。

 Qubic は設計段階から「ポスト量子(量子後)」の世界を見据えた設計を目指しています。

 ※ 参照:ホワイトペーパー v.016.2 攻撃ベクトルと対策 (Attack Vectors and Mitigations)


1. 暗号資産が量子計算に対して脆弱な部分

 量子計算機、特に「ショアのアルゴリズム(Shor's algorithm)」は、現代の暗号の柱である「公開鍵暗号」を極めて短時間で解くことが可能です。

  • 公開鍵からの秘密鍵の導出:
    • ほとんどの暗号資産(ビットコインやイーサリアムなど)は、楕円曲線暗号(ECC)RSA暗号を使用しています。
    • 量子計算機は、公開されている「ウォレットアドレス(公開鍵)」から、その所有権を証明する「秘密鍵」を逆算できてしまいます。
      • これにより、他人の資産を自由に送信することが可能になります。
  • 電子署名の偽造:
    • 取引が正当であることを証明するデジタル署名も、公開鍵暗号に基づいています。
    • 量子計算機を使えば、正当な所有者になりすまして署名を偽造することができます。

2. 比較的安全とされる部分(ハッシュ関数)

 一方で、マイニングやデータの要約に使われる「ハッシュ関数」は、公開鍵暗号ほど致命的な脆弱性は持ちません。

  • グローバーのアルゴリズム(Grover's algorithm):
    • ハッシュ関数(SHA-256など)に対しては、量子計算機は「効率を上げる」程度の影響(セキュリティ強度が半分になるイメージ)に留まります。
    • これはハッシュ値の長さを長くする(例:256ビットから512ビットへ)などの対策で、既存の技術でも十分に対応可能です。

3. Qubic が量子耐性を持つべき重要なポイント

 Qubic が真の「量子耐性(Quantum Resistance)」を実現するためには、以下の3つのレイヤーで対策が求められます。

  • 署名スキームの刷新 (Post-Quantum Signatures):
    • 従来の Schnorr 署名や ECC に代わり、量子計算機でも解くことが困難な「格子暗号(Lattice-based cryptography)」などを用いた署名アルゴリズム(例:Falcon や Dilithium)への移行、またはそれらを内包した設計が必要です。
  • アドレス生成プロセス:
    • 公開鍵がネットワーク上に公開された瞬間に秘密鍵が特定されないよう、アドレスの生成自体に量子耐性を持たせる必要があります。
  • uPoW (有用なプルーフ・オブ・ワーク) の報酬分配:
    • Computor(コンピューター)間の通信や、報酬の受け取りに関わる ID 管理も、量子計算機による攻撃に耐えうる暗号スタック上で動作する必要があります。

4. Qubic の設計思想:将来への備え

 Qubic は、ハードウェアの性能(計算能力)を「信号」として扱う性質上、量子計算機の登場を単なる脅威ではなく、ネットワーク全体の計算能力が飛躍的に向上する機会として捉える側面もあります。

  • アップデートの柔軟性:
    • Qubic のスマートコントラクトおよびコアプロトコルは、必要に応じてより強力な量子耐性アルゴリズムへ移行できるよう、柔軟な構造を維持することが重要です。

結論

 暗号資産にとって最大の脅威は「公開鍵から秘密鍵がバレること」です。

 Qubic は、この鍵交換と署名のプロセスにポスト量子暗号(PQC)を組み込むことで、量子計算機時代においても資産の安全性を保証する次世代のインフラを目指しています。

 なお、ポスト量子暗号(PQC)の導入障壁は、「データの巨大化(鍵・署名・暗号文のサイズ)」とのこと。

関連項目

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