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IOTA

Qubic と IOTA の関係

 Qubic と IOTA は、共通の創設者と「分散型コンピューティングの未来」という共通のビジョンを持つ、兄弟のような関係にあります。

1. 創設者 Sergey Ivancheglo (CfB) という共通の源泉

 両プロジェクトの核心にいるのは、分散型台帳技術(DLT)のパイオニアである Sergey Ivancheglo(通称:Come-from-Beyond / CfB) 氏です。

  • IOTA の共同創設者:
    • CfB 氏は IOTA の共同創設者であり、Tangle(DAG)や初期の設計思想の多くを考案しました。
  • Qubic への移行:
    • 彼は IOTA 内で「Qubic」というプロジェクトを提唱していましたが、後に IOTA を離れ、自らの最終的なビジョンを実現するために独立したプロジェクトとして現在の Qubic を構築しました。
  • 思想の一貫性:
    • ゼロ手数料」「量子耐性」「IoT デバイスへの最適化」といった IOTA 初期の純粋な理想が、現在の Qubic に受け継がれています。

2. 「Qubic」の名称の由来と変遷

「Qubic」という名前自体、もともとは IOTA エコシステム内でのプロジェクト名でした。

  • IOTA 時代の Qubic:
    • IOTA の Tangle 上でスマートコントラクト、オラクル、外部計算(Outsourced Computing)を実現するためのレイヤーとして構想されていました。
  • 名称の意味:
    • Quorum-Based Intelligent Computing(クォーラムに基づく知能的計算)の略称です。
  • 現在の Qubic:
    • IOTA の枠組みを超え、独自の有用なプルーフ・オブ・ワーク (uPoW) と同期型ティック(Tick)システムを持つ、独立したレイヤー1プラットフォームとして完成しました。

3. 技術的な共通点と「量子耐性」へのこだわり

 両プロジェクトは、他のブロックチェーンとは一線を画す特異な技術的特徴を共有しています。

  • 量子耐性署名:
    • IOTA (初期): Winternitz One-Time Signature (WOTS) を採用。
    • Qubic: Lamport 署名を採用。
    • いずれもハッシュベースの署名であり、量子計算機への耐性を最優先する CfB 氏の哲学を反映しています。
  • クォーラムによる合意:
    • 特定のマイナーに権力を集中させず、ノード(Computor)の合意(クォーラム Quorum)によってネットワークを動かす仕組みが共通しています。
  • 三進法 (Ternary) の探求:
    • IOTA は初期に三進法ロジックを追求していましたが、Qubic もその影響を受けており、ハードウェアレベルでの効率化を極限まで追求する姿勢が共通しています。

4. IOTA と Qubic の決定的な違い

 現在は、それぞれ異なる道を歩んでいます。

項目 IOTA (現在) Qubic
構造 Tangle (DAG) 同期型ティック (uPoW)
署名方式 Ed25519 (利便性のため量子耐性を後回し) Lamport (量子耐性を維持)
合意形成 IOTA 2.0 (Coordicide) 676台の Computor によるクォーラム
主な目的 IoT 決済・データ転送 有用な計算 (AI学習) と分散型コンピューティング

結論

 Qubic は、IOTA がかつて夢見た「分散型コンピューティングの完成形」を、CfB 氏がゼロから再構築したプロジェクトと言えます。

  • IOTA はより一般的・商業的な利用(UX や取引所への対応)を優先して進化しましたが、
  • Qubic は「量子耐性」や「有用な計算」といった、CfB 氏が妥協できなかった高度な技術的理想を追求し続けています。

両者は競合というよりも、同じ根を持つ異なる進化を遂げたプロジェクトであり、Qubic を理解することは、IOTA が本来目指していた真のポテンシャルを理解することにも繋がります。

tag/iota.1768827979.txt.gz · 最終更新: by d.azuma