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MEV 耐性

MEV 耐性 (MEV Resistance) 解説

 MEV(Maximal Extractable Value:最大抽出価値)とは、マイナーやバリデーター(Qubic では Computor )が、ブロック内のトランザクションの順序を操作することで得られる利益のことです。これに対抗する性質を「MEV耐性」と呼びます。


1. そもそも MEV とは何が問題か?

 一般的なブロックチェーンでは、ユーザーが送った注文が「メモリプール(Mempool)」という待機所に一時保管されます。攻撃用ボットはここを監視し、以下のような攻撃を仕掛けます。

  • フロントランニング (Front-running):
    • ユーザーの大きな買い注文を見つけると、それより高いガス代を払って先に買い、価格が上がったところでユーザーに買わせる。
  • サンドイッチ攻撃 (Sandwich Attack):
    • ユーザーの注文を「自分の買い」と「自分の売り」で挟み込み、価格の吊り上げ差益を抜く。

2. Qubic が MEV に強い 3 つの理由

 Qubic はその独自のアーキテクチャにより、構造的に MEV 攻撃が極めて困難な設計になっています。

① 伝統的なメモリプールの不在

 Qubic には、誰でも中身を覗き見して順序を競い合うような「公開された共有メモリプール」が伝統的な形では存在しません。

 トランザクションは各 Computor に直接送られ、即座に処理サイクル(ティック Tick)に組み込まれます。ボットが獲物を見つけて先回りする「隙」が物理的に少ないのです。

② 手数料無料(ガス代競争の無効化)

 多くのチェーンでは「高い手数料を払えば順番を優先してもらえる」というルールがありますが、Qubic は送金手数料が無料です。

 攻撃者が「ガス代を積んで無理やり列に割り込む」という手法が使えないため、順序操作による収益化が困難です。

③ 圧倒的な処理速度 (Tick モデル)

 Qubic は 1 秒間に何回も「Tick(ネットワークの鼓動)」を刻みます。この超高速なサイクルにおいて、人間の目に見えない速さで合意形成(クォーラム)が行われるため、ボットがリアルタイムで市場の変化に反応して攻撃を組み立てる時間的余裕がほとんどありません。


3. Qubic vs 他のレイヤー1:比較表

項目 一般的な L1 (ETH 等) Qubic
順序操作 ガス代を積めば可能 構造的に困難
主な攻撃 サンドイッチ、フロントラン ほぼ発生しない
ユーザー影響 スリッページが悪化する 公平な価格で約定しやすい
透明性 悪意ある抽出が横行 プロトコルレベルで保護

4. MEV 耐性がもたらす「真の DeFi」

 MEV 耐性が高いということは、ユーザーが 「本来の市場価格で、誰にも邪魔されずに取引できる」 ことを意味します。

  • 公平性の担保:
    • 機関投資家や高度なボットを持つ層だけが有利になる状況を防ぎます。
  • コスト削減:
    • 隠れた手数料(MEVによる価格の乖離)が発生しないため、結果としてスワップの効率が上がります。

結論:Qubic は「安全な港」

 Qubic の MEV 耐性は、単なる機能の一つではなく、ベアメタル実装」と「手数料無料」という根幹の設計から自然に生まれた副産物です。

 DeFi の世界において、自分の利益がボットに掠め取られない安心感は、Qubic エコシステムが拡大する上での大きな武器となるでしょう。


関連項目

tag/mev耐性.txt · 最終更新: by d.azuma